いろいろな治療

ホワイトニングのご案内

 

 

歯や口をきれいにする方法

 歯を白くするにはいくつかの方法があり、歯の汚れの原因によっていくつかの方法を組み合わせて行っていきます。

歯ブラシの指導
 毎日の効果的な歯ブラシができてないとすぐに色がついてきます。

食事指導
 タバコのヤニの他にもコーヒー、紅茶、ウーロン茶、カレーなど色のつきやすい食事はなるべく避けましょう。とくにブリーチングを行ったあとはしばらく摂取しないようにしましょう。

PMTC(器械的清掃)
 超音波などの振動でとる方法、ブラシでとる方法、細かい粉を吹き付けてとる方法などがあります。とくに歯を白くされたい方にはエアーフローと呼ばれる細かい粉を吹き付けてとる方法が好評ですのでその使用を先ずお勧めします。

ブリーチング
 狭い意味でのホワイトニングで、過酸化水素の漂白作用を使い診療室で行うオフィスブリーチング、過酸化尿素を使って自宅で行うホームブリーチングがあります。両者を組み合わせて行うと効果的です。

ポーセレンベニア
 マニュキアのように歯の表面に瀬戸で作った爪のようなものを貼り付けていく方法です。

オールセラミックスクラウン
 金属を使わないで透過性を良くした瀬戸物のかぶせるもので歯を覆ってしまう方法です。

矯正治療
 歯並びが悪いと、汚れがつきやすくなりますし、歯の影で歯は暗く見えます。

色の原因と対処法

子供のときに服用した薬で色がついてる場合
 歯の作られる時期に飲んだ主にテトラサイクリンという抗生物質の影響で、歯に帯状に黄白色から灰白色の色がつくことがあります。歯の表面のエナメル質という固い部分が完全に形成されない場合もあり、同時期に作られた歯全部に帯状に色が着いたり、つやがなくなるのが特徴です。
 ホワイトニングの中でもブリーチングといわれる薬剤を使った方法をとると、軽いものを除いては余計つやがなくなった感じになり、かえって目立つ場合もあります。
 この場合は歯の表面にセラミックで作ったつめのようなものを貼り付けたり、歯全体をセラミックで覆うことで歯を白くします。

歯の表面に色素性沈着物がついてる場合
 PMTCといわれる器械を使った清掃で色素性沈着物を取り除きます。食事や嗜好品の取り方によっては、またすぐに汚れることがありますので、色のつきやすいものは控えるようにしましょう。しかし、1年に1,2回は定期的に行ったほうが、他の口の病気の予防にもなりますので効果的です。

歯が磨耗して黄色くなる場合
 歯はその中身が象牙質といい黄色い色をしていて、その周りを白いエナメル質が一層覆っていることで白く見えるのです。ところが年齢や歯ブラシによって、その表面のエナメル質が薄くなってくると、下の黄色い象牙質が透けて見えるようになるので歯が黄色くあるいは黒ずんで見えるようになってきます。この場合はブリーチングと呼ばれる漂白は効果がなく、歯全体をセラミックで覆う方法で歯を白くします。

歯自体が黄色い場合
 もともと歯が黄色い場合、歯自体が黄ばんできたときはブリーチングと呼ばれる漂白で歯を白くします。検査後に歯ブラシの指導をし、そのあとPMTCと呼ばれる器械的清掃をします。また、むし歯がある場合には先にそれを治療しないとブリーチング剤によって痛みがでてくることがあります。
 一度診療室で行い、そのあとは家庭で夜間にブリーチング剤を塗布してもらいます。急激に行うと歯がしみるようになりますので、徐々に行い、フッ素を塗りこんでいきます。また、半年ぐらいで色がまたつき始め、2年ぐらいで戻ってしまいますので、半年に一度、家庭でのブリーチングを定期的に行うと長続きします。

金属によって色が変わった場合
 いろいろな金属で色がつきますがとくに銀合金では歯や歯肉が黒ずんできます。この場合、歯の着色をとるのはほとんど不可能です。歯肉の場合はレーザーで取り除くことができますが、かなり回数と時間がかかります。
 金属を使うときに貴金属を使ったり、歯と同じ色のファイバーやセラミックでつめたり、かぶせとる必要があります。

歯並びが悪い場合
 矯正で歯並びを治すことが基本になります。
 軽度の場合は差し歯やかぶせるもので、歯の位置と方向をある程度変更できます。その際セラミックでかぶせることで色を白くできます。

ホワイトニングの手順

問診検査
 最初にご希望を聞いて、状態を把握します。

診査診断
 必要な検査や写真を撮影します。

お話し合い
 上記の結果から、考えられる方法と、その利点欠点、時間、費用を説明し、わからない点を話し合いながら治療方法を決めていきます。

歯ブラシ・食事指導
 より長期に白いままでいられるよう説明します。

器械的清掃
 器械を使って、普段ご自身でとれない場所の汚れ、歯石などを落とします。これだけでもかなり歯は白くなります。

歯の処置
 矯正したり、むし歯の治療をしたり、歯と同じ白いものをつめたり、かぶせたり、歯の処置を行います。

オフィスブリーチング
 きれいにした歯をブリーチング剤を使って漂白します。ブリーチング剤のなかの過酸化水素等の作用により歯の中の色素が分解され歯が白くなります。

ホームブリーチング
 夜間、過酸化尿素の入ったブリーチング剤をマウスピースの中に介在させ、1日2時間程度装着し,1,2週間続けます。自宅で手軽に行えます。

フッ素塗布
 漂白したあとは色素が分解されその空間からしみやすくなりますので、フッ素を塗布して、しみないように、また歯を強くします。

メインテナンス
 どういう方法のあとでも、定期的にチェックと清掃をすることは、小さいうちにむし歯を発見できることで大きな目立つ詰め物をしないですんだり、フッ素やレーザーで歯を丈夫にしたりと、歯の汚れをとる以外にも非常に有効です

フォローアップブリーチング
 ブリーチングの場合、6ヶ月ごろから色が再びつき始め、2,3年でもとへ戻ってしまいます。これを防ぐのに、6ヶ月に1度程度自宅でホームブリーチングを行うと白さを保つことができます。

注意すべきこと
・原因によって、白くする方法が違いますし、あまり効果のないこともあります。
・ホームブリーチングの場合は1、2週間程度行ってみて初めて効果がでてきます。
・ホームブリーチングに使うマウスピースは熱湯で変形しますので、熱湯では洗わないで下さい。
・あまり急激に行うと歯がしみてくる場合がありますので、なるべく時間をかけて行ってください。
・たばこやウーロン茶、赤ワインなどは色がつきやすいので、なるべく避けてください。とくに直後は。


以上がだいたいのあらましです。保険の効かない場合が多いため十分な説明をしたいと思いますので、わからない点はお気軽にご相談ください。

インプラント治療について

 


歯がない、入れ歯があわない、もう一度歯が欲しい―そんな方へインプラントをお勧めします

 歯のなくなった部分をそのままにしておくと、隣の歯や反対側の歯が移動してごみが入りやすくなったり、咬む力が曲がった方向で加わるために歯が揺れてだめになってきたりします。 そのため歯のない部分には何だかの方法で歯を補う必要が、今までは金具のついた取り外しの入れ歯や、両隣の歯を削ってブリッジというつながった歯をいれるのが普通でした。

 しかし、入れ歯は食事の度にはずして洗わなければならないなどの不便があり、また、どんなにうまく作っても咬む力は普通の歯の1割程度しかありません。ブリッジの場合は隣の歯を削らないと出来ないことから、とくに隣の歯が健康であるときには削ることで歯がだめになりやすくなります。また、歯はもともとバラバラに動くことで咬む力に対応してますので、それをつなげてしまうということは、長い間に違和感や無理な力が生じてきます。
 さらに、どちらも咬む力を負担する歯の数は変わりませんので、残ってる歯は少なからずダメージを受け、時間の経過とともにだんだん残っている歯は弱くなっていき、徐々に総入れ歯に近づいていきます。

 インプラントはそれらとは違い全く新しい歯を増やすもので、残りの歯には負担になりませんし、普通の歯と同じように咬むことができます。インプラントにもいろいろな種類があり、チタン製のインプラントがその中ではもっとも優れています。過去には役に断たない、痛みが出る、すぐ腫れるなどのインプラントもあり、インプラントの悪い噂もそういうインプラントによるものです。
 優れた種類のインプラントと、正しい適応を選択し、きちんとした手術法を行えば、全く問題なく新しい歯を作ることが出来ます。

 手術は衛生的に行わなければならないため、少々仰々しいですが術中も術後もほとんど痛みや腫れがなく、歯を抜くよりもずっと侵襲は軽度です。
 注意すべき点として、入れたものと顎の骨が付着するまで大体3ヶ月ほどかかり、特に術後すぐの刺激は体の免疫反応で付着しなくなってしまいますので、術後当初は刺激がかからないようベビーフードなどの流動食をとっていただきたいこと、力のかかる義歯などははずしておいてほしいことです。
 また、上の顎の骨は下よりも柔らかいので付着する時間が余計かかること、下に神経のある場所では神経に触れることでしびれを起こす可能性があることが注意する点です。
 危険性の高い場合には、CTなどの特別な検査をしていただく場合もあります。

 当院では主にスイスのITIというインプラントを過去20年使用し、良好な結果を収めています。最高年齢は82歳の女性の患者さんでレストランでステーキを好んで食べ、周りの人から驚かれていました。何年ぐらいもつのとよく聞かれますが、当院で一番長い人は18年で、その年齢でインプラントがだめになったというのではなく、お2人いたのですがその年齢で亡くなられてしまい、それ以上フォローしている使用者はまだいません。今は若い人への使用も増えていますので、時間の経過とともにもっと使用期間はもっと延長していくと思われます。

れ歯の合わない方、残っている歯を大事にしたい方はぜひお気軽にご相談下さい。

レーザー治療

 

 

レーザーによる歯科治療のご案内

 レーザーは普通は散乱している可視光線の波長を一方向へ向けて照射するもので、その強められたエネルギーで、細菌を死滅させたり、血行を良くして不良な障害起因物質を流すことにより、また、組織を暖め副交感神経を優位にすることで病気や疼痛を改善させます。

 可視光線を使うもので、放射線や電磁波、紫外線とは根本的に違いますので、遺伝子を変化させたり、癌化などの危険性は全くありません。
 また、ほんの少しの短い時間に強いエネルギーを照射しますので、少し熱くなる以外は痛みはほとんどなく、それでいて細菌を死滅させられます。

 以下のようなさまざまな病気の治療に有用です。

歯の痛み
 痛みが緩和されたり、麻酔をしないで麻酔効果が得られます。また、歯がしみるのも軽減されます

歯ぐきからの出血
 1、2回当てるだけでほとんどの出血が止まります。

歯周病の治療や予防
 細菌が死にますので、出血や腫れがなくなったり、定期的に当てることで細菌の再増殖を抑え、歯周病の予防になります。

むし歯の治療や予防
 むし歯菌の除菌が簡単に行えます。また、溝の中の細菌を退治して、フッ素の取り込みを良くして、歯を丈夫にします。

口内炎の痛み
 あの嫌な口内炎の痛みを取り去ります。

知覚過敏
 歯の根もとを触ると電気が走るような感覚や冷水を含むとしみる感覚を取り除きます。

顎の関節の痛みや運動障害
 あごの痛みや運動障害も治りにくい病気ですが、レーザー治療で比較的簡単に口が開くようになったり、音が消失します。

歯の漂白、歯肉の黒ずみの除去
 歯の漂白にもレーザーを使用すると薬の作用時間が短くなります。また、歯肉が黒ずんでいる人も何回かレーザーを当てるとピンク色になります。

 当院では平成13年に導入し、とくにそれまで薬剤を使ってた歯周病の除菌や痛みがすぐにとれなかった口内炎、あごの痛みや音の改善にすぐれた効果をみています。
 紫外線や放射線とは波長が全く違う、可視光線から一部赤外線にかけての光ですので、全く安全です。ただ目に入るとかなりまぶしく障害を与えることも考えられますので、予防のためサングラスを着用していただいています。
 薬剤などを使うよりも早く安全に確実に治療ができ、患者さんにやさしい治療なことから、当院では積極的に利用させていただいています。疑問な点、わからない点がございましたらお尋ねください。


位相差顕微鏡

 



位相差顕微鏡での観察

プラーク(歯のごみ)の細菌
 普通にはブラシした後、歯と歯の間の残ったごみを針の先でほんの少し採ったものを除いたものです。良く動くもの、細長いもの、球形のものなどいろんな細菌が見られます。

プラーク(歯のごみ)+アルコール
 とってきた歯のごみにアルコールをたらして見たものです。全く動く細菌は見られず細菌は死んだようです。

プラーク+オキシュール
 上と同じように清掃に使うオキシュールをたらしたものです。発砲した空気の間に活発に動く細菌が見られます。

プラーク+ヨードホルム
 今度はごみにヨードチンキをたらしたものです。一見死んだように見えますが、時々動く細菌が見えます。

プラーク+クロールヘキシジン
 同じく嗽に使う殺菌作用のあるクロールヘキシジンをたらしたものです。一部に動く細長い細菌が見られます。

プラーク+CC
 歯の殺菌に使う、匂いの強烈なCCをたらしたものです。チョ-ジ油が入っているせいか水と分離して取り残された部分に活発に動く細菌が見られます。

直接歯面にアルコール塗布し採取したプラーク
 今まではとった細菌に薬をたらしたものですが、今度は直接歯面にアルコールをたらし、その後ごみを取ったものです。歯についてる間は細菌層を作っているせいで、中までアルコールは浸透せず、その部分の細菌は生きていることがわかります。

レーザーを照射したプラーク
 歯面にレーザーを1、2秒当てたあととったごみです。焼却されたせいか細菌は太くみえ動くものは見えません。細菌層の奥まで効果があるようです。

直接プラークにレーザー照射
 今度は取り除いたごみを置いたプレパラートと顕微鏡のレンズの間にレーザーを当てた動画です。1度目はレンズをいたわったせいか上手く当たらず、再度照射しました。そのあとは原爆でも落ちたかのように蒸散と焼却が見られ、動く細菌は全く見られません。

感染根管内の滲出液
 腫れてきた原因の根管内の滲出液です。多数の細菌や白血球、赤血球が活発に見られます。根管内は細菌の絶好の住み家のようです。

抜髄した歯髄
 歯が痛いとやって来た患者さんの歯の歯髄です。良く見ると、小さな細菌が周囲に動いているのが見えます。大きい細菌は全く見られません。取ったあとについた細菌ならもう少し大小いろいろな細菌が見られてもいいはずです。歯髄炎は細菌の感染はないのが今までの定説になっていますがいかがでしょうか。

細菌検査

 むし歯や歯周病は細菌によって引き起こされます。さまざまな細菌が関与しますが、その中でも性格の悪い細菌がいくつか見つかっています。これらの細菌がいると歯ブラシで細菌への栄養を与えないようにするだけはなかなか病状が良くなりません。
 それを調べるのが細菌検査で唾液や滲出液を使って簡単に検査できます。
 あとからあとからむし歯ができてしまう人、定期的に歯肉がはれる人はぜひ検査されることをお勧めします。

以下の細菌が検査できます

むし歯の細菌

Streptococcus mutans (gtfB遺伝子陽性の代表的菌種)
 α-あるいはγ-溶血性のレンサ球菌でヒトの口腔に 生息し、最も重要な齲蝕病原菌とされています。ソルビット、マンニットを分解し、スクロースから 非水溶性でかつ粘着性のα-グルカンを産生し、 菌体は歯の固表面に強く付着。
多くの糖類を分解し乳酸などを産生して歯の硬組織を 溶解します


Streptococcus sobrinus(gtfI遺伝子陽性の代表的菌種)
 齲蝕の約20%に、S.mutansとともにS.sobrinusが分離され、S.mutans単独の 場合よりも齲蝕の度合いが重度と評価されています。

歯周病の細菌

Actinobacillus actinomycetemcomitans
 小さな球形に近い、非運動性、非芽胞産生性、 糖分解性、好二酸化炭素性、通性嫌気性、 グラム陰性の、両端の丸い桿菌です。
限局型若年性歯周炎の病巣から比較的高率に検出され、 健康な、あるいは軽度にしか罹患していない患者の 歯肉縁下プラークからの検出率は低いと されています。

Porphyromonas gingivalis
 黒色色素産生性バクテロイデス属に入り、これらは 偏性嫌気性、グラム陰性、非芽胞産生性、 非運動性桿菌で、血液培地で増殖すると、褐色あるいは 黒色に着色したコロニーを作ります。
進行した成人性歯周炎の病巣から、また、 広汎型若年性歯周炎の病巣からも分離されます。
歯肉の炎症の程度と歯肉縁下プラークに占める本菌の 比率との間に相関関係があることも明かに されています。
 対照的に健康人あるいはまだ歯周炎に罹患していない 歯肉炎患者の歯肉縁下試料からは まず検出されません。

Prevotella intermedia
 同様に黒色色素産生性バクテロイデス属に入り、 進行した歯周炎患者のポケットから、しばしば多数のP.gingivalisと一緒に分離され、 単独に存在することは稀です。
P.intermediaは歯肉炎患者および健康な歯周組織を 持つヒトの半数以上に存在しています。

Bacteroides forsythus
 グラム陰性、非運動性、初期には球菌様を呈する 嫌気性桿菌ですが、時間が経つと、通例、 先のとがった両端と膨れた中心部を 示すようになります。
 本菌は歯肉炎や健康部位、または疾患の軽快した部位に 比べ、歯周組織破壊の激しい部位で高率に 検出されます。
 また、表在性や非活動性の病巣よりも、深在性で 活動性の歯周病病巣でそれが顕著となります。 難治性歯周炎の指標として重要な菌種です。
            (BMLホームページより引用)

*特にPorphyromonas gingivalisは動脈硬化を起こした血管や心筋梗塞を起こした心臓壁からもみつかっています。歯周病の直らない方はぜひ検査をお勧めします。
*まだ保険の適用になっていません。1種類検査するのに8400円、追加1種類ごとに4200円かかります。
*むし歯の細菌は治療でいなくなるとほとんど再感染しませんが、歯周病の細菌は夫婦間等で再感染します。できれば家族単位で検査することをお勧めします。
*検査方法は唾液あるいは歯肉の滲出液をとるだけです。歯ブラシは2時間前までに、また、検査当日はアルコール系の洗口剤を使用しないで下さい。